
伝承
雪女伝承は新潟県を主な舞台として整理する伝承。雪女との関係を持ち、土地と怪異を結ぶ入口になる。
雪女(ゆきおんな)伝承は、新潟県の豪雪地帯で、吹雪の夜に白装束の美しい女性が現れ、出会った者を凍死させる、とされる怪異譚である。新潟・越後の伝承では、山で道に迷った父子・親方と弟子が小屋で夜を明かそうとすると、戸を開けて入ってきた白い女が父・親方の息を吹きかけて凍死させ、若い息子・弟子だけは「今夜のことを誰にも話すな」と命じて見逃す。後年、若者は雪国から来た美しい妻と幸福に暮らすが、ある夜うっかり過去を話してしまい、妻は雪女の正体を露わにして雪の中に消える、というのが代表的な筋である。ラフカディオ・ハーン『怪談』所収「雪女(Yuki-Onna)」が世界的に知られる。
物語は三段で構成される——(一)吹雪の夜の遭遇と命を分ける選別、(二)禁忌(「話すな」)の言い渡しと結婚生活、(三)禁忌の破棄と妻=雪女の去就。鶴の恩返し型の「異類婚姻譚」と「禁忌破り」を組み合わせた構造で、白蛇・狐女房・蛤女房と並ぶ異類女房譚の代表である。雪国の豪雪と凍死の現実が物語の自然的基盤となる。
中心となる伝承圏は新潟県の魚沼・南魚沼・小千谷・十日町など中越地方の豪雪地帯、および上越地方の山間部。山形県・秋田県・福島県会津・長野県北部・岩手県の山間部にも類話が広く分布する。日本海側豪雪地帯に共通する怪異観念である。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)『怪談 Kwaidan』(明治三十七年・1904 年)所収「雪女(Yuki-Onna)」。原話は武蔵国西多摩郡調布村(現東京都青梅市)の老農の語りで、八雲が再話。柳田國男『雪国の春』、新潟県教育委員会編『新潟県史 民俗編』、越後の民俗誌に類話の収録がある。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
雪女伝承に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/雪女伝承 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
雪女伝承の概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA%E5%A5%B3%E4%BC%9D%E6%89%BF