聖地
熊野那智大社の別宮・飛瀧神社が拝する那智の大滝。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産。
那智の滝(なちのたき)は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山に懸かる落差 133m の大瀑布で、熊野那智大社の別宮・飛瀧神社(ひろうじんじゃ)が御神体として拝する。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」(2004 年登録)の構成資産。
所在は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山。那智山中腹、那智川源流の烏帽子岩から落下する一の滝で、日本三名瀑の一に数えられる。熊野那智大社・青岸渡寺と一体の那智山信仰の中軸を成し、熊野古道中辺路の終着点に位置する。国名勝・天然記念物に指定。
祭神は大己貴神(おおなむちのかみ、大国主神の異名)で、那智の滝そのものを神体とする原初的な滝祭祀の形を残す。社殿を持たず、滝壺の前に拝所を設けるのみ。本宮の熊野那智大社の主祭神は熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ、伊邪那美神に比定)で、飛瀧神社はその別宮として滝神を祀る位置にある。熊野本宮大社・熊野速玉大社と共に熊野三山を構成し、神仏習合下では千手観音と本地垂迹の関係に置かれた。
社伝では神武天皇東征の途次、那智の海から滝の光を望み、これを拝したのを起源とすると伝えられる。文献上は平安期の延喜式に熊野神社の名で記される。中世以降、熊野詣の高揚と共に皇族・公家・武家・庶民の参詣を集め、滝行・那智参籠の聖地として全国の修験者を集めた。明治の神仏分離で青岸渡寺と熊野那智大社が分離されたが、那智の滝の御神体としての性格は現在も保たれている。
7 月 14 日の那智の扇祭り(那智の火祭、国重要無形民俗文化財)が中心。熊野那智大社の十二柱の神を扇神輿に遷し、燃え盛る大松明で迎える神事で、滝前の参道を松明の火で清めて神を那智の滝へ還す。
平家物語 現代語訳(尾崎士郎訳)
一次文献尾崎士郎
『平家物語』巻10「那智詣」ほか熊野詣に関する記述。尾崎士郎訳・青空文庫所収。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001529/card60797.html熊野那智大社 公式サイト
機関資料熊野那智大社
熊野那智大社公式サイト「飛瀧神社・那智御瀧」。
https://kumanonachitaisha.or.jp/Wikipedia 日本語版「那智滝」
二次資料Wikipedia 日本語版
Wikipedia 日本語版「那智滝」。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%82%A3%E6%99%BA%E6%BB%9D読み解き
那智の滝は、熊野那智大社の別宮・飛瀧神社が拝する滝である。滝そのものを御神体とし、大己貴命を祀る。『平家物語』巻十の「那智詣」は、熊野へ向かう道行きと那智の霊地性を伝え、中世の参詣文化を読む手がかりになる。滝、社、那智山の寺院群が重なり、熊野信仰の複層性をよく示す。
関連神格は大己貴命、熊野夫須美大神、家都美御子大神。出典: 『平家物語』、熊野那智大社公式サイト、Wikipedia日本語版「那智滝」。