
怪異
古事記に登場する8つの頭と8つの尾を持つ巨大な蛇の怪異。出雲で素戔嗚尊によって退治された。
八岐大蛇(やまたのおろち)は、『古事記』上巻に記される 8 つの頭と 8 つの尾を持つ巨大な蛇身の怪異。出雲国 肥河(ひのかわ、現在の斐伊川)上流に棲み、毎年一人ずつ娘を喰らうとされた。素戔嗚尊(すさのおのみこと)によって退治され、その尾から草薙剣(くさなぎのつるぎ)が現れたことで知られる、神話最大の怪異の一柱である。
『古事記』上巻 須佐之男命段に「身一つに八つの頭・八つの尾あり。亦其の身に蘿(こけ)と檜榲(ひすぎ)生ひ、其の長は谿八谷峡八尾を度り、其の腹を見れば、悉く常に血爛れたり」と記される。素戔嗚尊が高天原を追放されて出雲に降り、足名椎・手名椎(あしなづち・てなづち)と娘 櫛名田比売(くしなだひめ)に出会い、八岐大蛇退治を約束する場面に立つ。八塩折之酒(やしおおりのさけ)で大蛇を酔わせ、十拳剣で切り刻んで退治する筋が定型である。
『古事記』上巻 須佐之男命段(和銅五年、712 年撰録)、『日本書紀』神代上 第八段(養老四年、720 年撰録)に詳しく記される。後者では同段に複数の一書(異伝)が併記され、退治の経緯や尾から出る剣の名(草薙剣・天叢雲剣)に異同がある。『出雲国風土記』(天平五年、733 年)にも肥河流域の伝承が記される。
八岐大蛇の正体については、肥河の氾濫の神格化、製鉄民との抗争史の神話化、出雲の有力豪族との戦闘の伝説化など、近代以降の解釈が並立する。退治の場面から取り出された草薙剣は三種の神器の一つとなり、熱田神宮(愛知県名古屋市)に祀られる。素戔嗚尊と櫛名田比売は出雲の須我神社(島根県雲南市)で祀られ、退治後の出雲建国神話の中核を担う。
古事記 上巻 出雲段(八岐大蛇)
一次文献太安万侶(撰)
太安万侶撰「古事記」上巻、和銅5年(712年)成立。素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した段を記す。國學院大學 古典文化学事業 デジタル版古事記による。
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/八岐大蛇 — Wikidata Q11539
二次資料Wikidata contributors
Wikidata structured data entry Q11539: Yamata-no-Orochi. 開放知識グラフによる構造化データ。
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