
日本神話
天火明命は、天孫系譜に位置づける神格。天孫系譜に連なる神格として、天の火明りと氏族祖神の文脈を結ぶ
天火明命(あめのほあかりのみこと)は、『古事記』『日本書紀』に記される天津神。天忍穂耳命の子で、邇邇芸命の兄。尾張連(おわりのむらじ)・海部(あまべ)・物部氏など多数の古代氏族の祖神に位置づけられる。天孫降臨段とは別系の天降り神話を持つ重要神格。
『古事記』上巻 天孫降臨段の冒頭では、天忍穂耳命と栲幡千千姫命の間の子として天火明命と日子番能邇邇芸命の二柱の名が挙げられ、邇邇芸命が降臨の主役に立つ。『日本書紀』神代下 第九段一書では、天火明命が大和の鳥見白庭山に降ったとも、丹波国に降ったとも記される一書が複数並び、地方氏族の祖神伝承との関わりが強い。『先代旧事本紀』では「天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊」として饒速日命(にぎはやひのみこと)と同神視される伝も載る。
父は天忍穂耳命、母は栲幡千千姫命。弟は邇邇芸命。御子神に天香山命(あまのかぐやまのみこと、尾張連の祖)、宇摩志麻治命(うましまじのみこと、物部氏の祖、饒速日命同体視伝による)などがあり、尾張・海部・物部氏系の祖神を成す。『新撰姓氏録』(弘仁六年・815 年)にも対応氏族が多数記される。
真清田神社(愛知県一宮市、尾張国一宮)、籠神社(京都府宮津市、丹後国一宮、海部氏の氏神)、彌彦神社(新潟県西蒲原郡、越後国一宮、論社の一)などに祀られる。籠神社は海部氏が代々宮司を務め、海部氏系図は国宝に指定されている。古代地方氏族の祖神信仰の中核を成す神格として、各地の一宮で篤い崇敬を受けてきた。
天火明命 あめのほあかりのみこと
一次文献國學院大學 古典文化学事業「神名データベース」天火明命。
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/amenohoakarinokami/古事記 上巻 天孫系譜
一次文献古事記 上巻 天孫系譜に基づく神格・系譜・登場場面の整理。
神道・神名辞典 天火明命項
二次資料神道・神名辞典 天火明命項を参照した神格名・関連文脈の補助確認。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。