
伝承
浦島太郎伝承は、典拠と代表地点を確認した公開項目として整理する伝承。丹後国風土記逸文を入口に、異界訪問と帰郷後の時間差をたどるための入口になる。
丹後国の若者・浦嶋子(うらしまのこ)は海で五色の亀を釣り上げる。亀は美しい女に姿を変え、ともに常世の国(蓬萊・海神の宮)へ赴き、三年(伝承により異なる)の歳月を過ごす。望郷の念から帰郷を願うと、女は別離の証として玉手箱(玉櫛笥)を授け、開けてはならぬと告げる。地上に戻った浦嶋子はすでに数百年が経過し、知る人も土地もない。禁を破って箱を開くと白煙が立ち、若者はたちまち老翁となる、あるいは煙とともに失われたと語られる。
異界訪問譚と禁忌違反譚を時間差のモチーフで結ぶ古層的な構成を持つ。海神宮の昼夜と地上の歳月のずれは『山幸彦』譚と通底し、玉手箱という呪具は授与・禁忌・違反・代償という四段の語りを成立させる。中世以降、御伽草子化により亀の助命と恩返しの段が前置され、教訓譚としての色合いが強まる。
丹後半島の伊根町本庄浜・浦嶋神社(京都府与謝郡伊根町)が代表的な伝承地で、浦嶋子を祭神とする。また横浜の慶運寺、香川県三豊市の生里、長野県木曽郡上松町など各地に類話と伝承地が残る。
『丹後国風土記』逸文「浦嶋子」(和銅六年〔713 年〕風土記撰進以降、釈日本紀所引)、『日本書紀』雄略天皇紀二十二年条、『万葉集』巻九 高橋虫麻呂作歌が古代典拠。中世以降は御伽草子『浦島太郎』が広く流布し、近世以降の昔話本文の基礎となる。
丹後国風土記逸文
一次文献丹後国風土記逸文に見える浦島太郎伝承の代表的な典拠。
丹後国風土記逸文
一次文献浦島太郎伝承の本文、章節、代表的な筋を確認する一次文献・伝承本文。
日本昔話大成
二次資料日本昔話大成など、浦島太郎伝承の伝承差や地域的受容を整理する二次資料。
浦島太郎伝承 伝承差整理資料
二次資料浦島太郎伝承の地域差、受容、代表地点を整理するための二次資料。
浦島太郎 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
『丹後国風土記』逸文「浦嶋子」、『日本書紀』雄略天皇紀、『万葉集』巻九 高橋虫麻呂歌、御伽草子・近世昔話資料における浦島譚の系譜と異伝に関する二次整理。