
妖怪
ぬっぺふほふは、青森県弘前市を入口にたどる怪異。古い城下や夜の道に現れる肉塊めいた怪異として語られる
ぬっぺふほふ(ぬっぺっぽう)は、目鼻立ちのつぶれた肉塊のような姿の怪異。皺の寄った人面が胴体に埋もれ、手足は短く、夜の古寺・廃城・古戦場跡をのそのそと歩むと語られる。鳥山石燕の図像集に由来する身体異形怪異の代表格。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』陽の巻(1776 年)に「ぬっぺふほふ」として図示され、皺の寄った肉塊のような体に潰れた顔が埋め込まれた姿で描かれる。佐脇嵩之『百怪図巻』(1737 年)にも近似の図像が見え、近世怪異絵巻の早い段階から定着していた。代表的な筋は、夜の古寺・廃屋・古戦場跡をのそのそと歩む姿を旅人や住人が見るというもので、害を成すわけではなく不気味な姿そのものを主題とする怪異として位置づけられる。
佐脇嵩之『百怪図巻』(元文二年、1737 年)が早い文献記録で、鳥山石燕『画図百鬼夜行』陽の巻(1776 年)に図像が継承される。徳川家康がこれに似た怪異の献上を受けたという『一宵話』の逸話が伝わる。近代以降は村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)と国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」に整理されている。
身体異形の近世怪異として「ぬらりひょん」「がしゃどくろ」と並置される。皺の寄った肉塊という姿では、近縁の「肉人(にくじん)」(『一宵話』に見える徳川家康への献上譚の異形)と図像的に系譜を共有する。青森県の地域固有譚としての記録は乏しく、近世怪異絵巻系の身体異形怪異として整理される。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース ぬっぺふほふ
一次文献国際日本文化研究センター
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース ぬっぺふほふに基づくぬっぺふほふの代表的な典拠整理。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
日本妖怪大事典などを参照したぬっぺふほふの地域的受容と類縁語の補助確認。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。