
鬼
吉備地方に伝わる鬼・異人の存在。吉備津彦命による退治譚と桃太郎伝承に重ねられる。
温羅(うら)は、吉備国(現・岡山県)に伝わる鬼の首領。古代の渡来人首長または製鉄民の長を起源とする説があり、鬼ノ城(岡山県総社市)を拠点として一帯を支配し、朝廷から派遣された吉備津彦命(きびつひこのみこと)と戦って討たれたと伝えられる。桃太郎説話の源流の一つとされる。
吉備津神社(岡山県岡山市北区)に伝わる「吉備津宮縁起」では、温羅は百済王子と称し、空を翔け、矢を放つと風を起こし、首を斬られても声を発し続けたと描かれる。吉備津彦命との戦いは矢を打ち合う「矢喰い」、捕らえて首を吉備津宮の竈の下に埋めると、その下から十三年間うなり声が鳴り続けたという「鳴釜神事」の起源譚として語られる。鬼ノ城跡(標高 397m の山城遺構、国史跡)が舞台として比定される。
近世の地誌『吉備温故秘録』『備中誌』に温羅伝承が記録される。吉備津神社の公式縁起では現在も鳴釜神事が斎行され、釜の音で吉凶を占う伝統が続く。『日本書紀』崇神天皇紀の四道将軍派遣段で吉備津彦の名が見え、温羅譚の歴史的下敷きとされる。国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」と岡山県の郷土史料に体系的に整理されている。
温羅の別名として「吉備冠者」「鬼神」がある。桃太郎説話(岡山県・讃岐・愛知などで主張される)の原型として、吉備津彦=桃太郎、温羅=鬼、犬飼健・楽々森彦・留玉臣=供の三匹に対応する解釈が広く採られる。岡山県総社市の鬼ノ城跡、岡山市北区の鯉喰神社(温羅の首が鯉に化けたとされる場所)など、関連聖地が周辺に点在する。
吉備津神社 公式サイト
機関資料吉備津神社
吉備津神社公式サイトの温羅退治伝承・由緒情報。
https://www.kibitujinja.com/温羅 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
温羅伝承に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E7%BE%85