
日本神話
火之迦具土神は、神生みに位置づける神格。火の神として、伊邪那美命の神生みと火の系譜を結ぶ
火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)は、『古事記』『日本書紀』に記される火神。伊邪那岐命・伊邪那美命の御子で、出生に際して母 伊邪那美命を焼き殺したため、父 伊邪那岐命に十拳剣で斬られた神格。鍛冶・火伏せの神として広く信仰される。
『古事記』上巻 神生み段では、伊邪那美命が「火の夜芸速男神(やぎはやおのかみ)、亦の名は火の炫毘古神、亦の名は火の迦具土神」を生んだ際、陰部を焼かれて病み、ついに黄泉国へ赴くに至ったと記される。伊邪那岐命は怒り、「天の尾羽張」と名づけた十拳剣で迦具土神を斬る。その剣に付いた血と、斬られた身体の各部位から計十六柱の神が成ったと記され、建御雷神もその一柱。『日本書紀』神代上 第五段一書にも対応する叙述がある。
父は伊邪那岐命、母は伊邪那美命。死後に成った神々は十六柱に及び、岩裂神・根裂神・甕速日神・樋速日神・建御雷神(伊邪那岐命の剣神)など、剣・岩・雷の神格が多い。母の死の原因となった存在として、神話的に両義的な位置を占める。
秋葉山本宮秋葉神社(静岡県浜松市天竜区、火伏せ信仰の中心)、愛宕神社(京都市右京区、防火の神として全国の愛宕神社の総本社)、古峯神社(栃木県鹿沼市)などに祀られる。中世以降は秋葉信仰・愛宕信仰として全国に展開し、火伏せ・防火の神として町火消・職人の篤い崇敬を集めた。「秋葉原(あきはばら)」の地名も秋葉神社勧請に由来する。
火之迦具土神 ひのかぐつちのかみ
一次文献國學院大學 古典文化学事業「神名データベース」火之迦具土神。
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/hinokagutsuchinokami/古事記 上巻 神生み
一次文献古事記 上巻 神生みに基づく神格・系譜・登場場面の整理。
神道・神名辞典 火之迦具土神項
二次資料神道・神名辞典 火之迦具土神項を参照した神格名・関連文脈の補助確認。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。