
伝承
草薙剣伝承は、典拠と代表地点を確認した公開項目として整理する伝承。八岐大蛇、倭建命、熱田の信仰へ続く剣の語りをたどるための入口になる。
高天原を追放された素戔嗚尊(すさのおのみこと)は出雲国の肥河(ひのかわ、現在の斐伊川)上流で八岐大蛇を退治し、その尾を裂いたところから一振の剣を得る。これを天照大御神(あまてらすおおみかみ)に献上し、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と名づけられる。剣は天孫降臨にあたり邇邇芸命に授けられ、後に倭比売命(やまとひめのみこと)が伊勢の斎宮として奉斎する。倭建命の東征に際して伊勢から授与された剣は、相模国の野焼きの難で叢草を薙ぎ払って身を救ったことから草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれるようになる。倭建命の薨後、剣は妃・宮簀媛命(みやずひめのみこと)のもとに留まり、尾張の地で熱田神宮として奉斎されたと記される。
退治譚で得られた呪具が、王権神話の中枢へと格上げされていく剣の伝承典型で、出雲(八岐大蛇)・伊勢(斎宮奉斎)・尾張(熱田奉斎)の三圏を貫く。天叢雲・草薙の二つの名は剣の機能変化(雷雲を呼ぶ宝剣 → 危機を救う武具)を語り、三種の神器の一柱として八咫鏡・八尺瓊勾玉と並ぶ皇位の徴に位置づけられる。
八岐大蛇退治の段に対応する場所として斐伊川流域(島根県雲南市)と須我神社・八重垣神社など出雲圏の社が伝わり、剣の奉斎地として熱田神宮(愛知県名古屋市熱田区)が中心拠点となる。伊勢神宮内宮(三重県伊勢市)は剣の伊勢奉斎期の伝承を担う。
『古事記』上巻 八岐大蛇段および中巻 倭建命段(和銅五年〔712 年〕成立)、『日本書紀』神代上 第八段一書・景行天皇紀(養老四年〔720 年〕成立)が主要典拠。熱田奉斎の経緯は『熱田神宮御鎮座次第』など寺社縁起に補われ、平家物語・源平盛衰記には壇ノ浦合戦と剣の喪失伝承が記される。
古事記
一次文献古事記に見える草薙剣伝承の代表的な典拠。
古事記
一次文献草薙剣伝承の本文、章節、代表的な筋を確認する一次文献・伝承本文。
日本書紀
二次資料日本書紀など、草薙剣伝承の伝承差や地域的受容を整理する二次資料。
草薙剣伝承 伝承差整理資料
二次資料草薙剣伝承の地域差、受容、代表地点を整理するための二次資料。
天叢雲剣 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
『古事記』上巻 八岐大蛇段で素戔嗚尊が大蛇の尾から得る天叢雲剣、倭建命東征段での草薙剣への改名、熱田神宮への奉斎、三種の神器の一柱としての位置づけに関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%8F%A2%E9%9B%B2%E5%89%A3