
伝承
竹取物語は、典拠と代表地点を確認した公開項目として整理する伝承。竹取物語本文を入口に、竹、月、姫の帰還を分けてたどるための入口になる。
竹取物語は、平安期成立の物語で、竹の中から見いだされた姫が月の都へ帰る物語。讃岐造(さぬきのみやつこ)と呼ばれる竹取の翁が、光る竹の中から三寸ほどの女児を見いだし、家に連れ帰って育てる。姫は三月で成人し、なよ竹の赫映姫(かぐやひめ)と名付けられる。美しさの噂を聞いた五人の貴公子(石作皇子・車持皇子・阿倍右大臣・大伴大納言・石上中納言)が求婚するが、姫は仏の御石の鉢、蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣、龍の頸の玉、燕の子安貝という不可能な品を要求し、五人とも失敗する。帝の求婚も拒んだ姫は、八月十五夜に月から迎えに来る者があると告げ、不死の薬と文を残して天人とともに月へ昇天する。帝は不死の薬を富士山(ふじのやま)の頂で焼かせ、煙は今も立ち昇るという。
物語は五段で構成される——(一)異常出生(竹からの誕生)、(二)成長と五人の求婚者の難題、(三)帝の求婚と拒絶、(四)昇天と不死の薬、(五)富士山の煙の起源譚。日本最古の物語文学とされ、貴種流離譚・異常出生譚・難題婿型の民話モチーフを統合する。月の都という異界設定は中国の嫦娥神話との類縁が指摘される一方、富士山という具体的地名と結びつけて地名起源譚の性格も帯びる。
赫映姫養育の地として奈良県北葛城郡広陵町の讃岐神社一帯(讃岐造の故地と伝わる)、京都府京田辺市山本(山本宮の竹取翁伝承)など複数の比定地が並立する。昇天と不死の薬の場面に登場する富士山は、静岡県・山梨県境の富士山(標高 3776m、2013 年ユネスコ世界文化遺産登録)。富士市・富士宮市には不死の山の伝説が継承される。
『竹取物語』(成立年・作者不詳、平安初期九世紀後半から十世紀初頭と推定)。現存最古の写本は室町期。『源氏物語』絵合巻に「物語の出で来はじめの祖(おや)なる竹取の翁」と記されるのが平安期文献における最古の言及。『今昔物語集』巻三十一には類話「竹取の翁、女児を見つけて養ふ語」が収載される。新編日本古典文学全集『竹取物語』(小学館)が現行の校訂テキストとして広く参照される。
竹取物語
一次文献竹取物語に見える竹取物語の代表的な典拠。
竹取物語
一次文献竹取物語の本文、章節、代表的な筋を確認する一次文献・伝承本文。
新編日本古典文学全集 竹取物語
二次資料新編日本古典文学全集 竹取物語など、竹取物語の伝承差や地域的受容を整理する二次資料。
竹取物語 伝承差整理資料
二次資料竹取物語の地域差、受容、代表地点を整理するための二次資料。