
伝承
海幸山幸は、典拠と代表地点を確認した公開項目として整理する伝承。古事記・日本書紀の兄弟神話と海神の宮の場面をたどるための入口になる。
邇邇芸命(ににぎのみこと)の子である火照命(ほでりのみこと、海幸彦)と火遠理命(ほおりのみこと、山幸彦)は、ある日道具を交換して漁と猟に出る。山幸彦は兄の釣針を失い、塩椎神(しおつちのかみ)の導きで海神の宮に至り、海神の娘・豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)と婚姻する。海神は失われた釣針を魚の口から取り戻し、潮満珠・潮乾珠を授ける。山幸彦は地上に戻り、兄を屈服させ、後に豊玉毘売命が産屋で出産する場面では、姿を見てはならぬとの禁忌が破られ、姫は海原へ帰る。
兄弟譚・異界訪問・婚姻譚・禁忌違反という四つの古層が重なり、王権の海洋的起源を語る。釣針と道具の交換が地位の逆転を導き、海神宮の珠が呪具として王権の象徴へ転化する。豊玉毘売命の産屋段は鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)の誕生に接続し、神武天皇への系譜を準備する。
海宮への入口を示す伝承地として鵜戸神宮(宮崎県日南市)、青島神社(宮崎県宮崎市)、霧島東神社や潮獄神社などが各地に分布する。出産の段に対応する伝承地として鵜戸神宮の本殿洞窟が知られる。
『古事記』上巻 海幸山幸段(和銅五年〔712 年〕成立)、『日本書紀』神代下 第十段一書(養老四年〔720 年〕成立)が主要典拠。本書と一書のあいだで兄弟の名や場面構成に異伝があり、後世の『先代旧事本紀』や各地の風土記・寺社縁起にも対応する記述が残る。
古事記
一次文献古事記に見える海幸山幸の代表的な典拠。
古事記
一次文献海幸山幸の本文、章節、代表的な筋を確認する一次文献・伝承本文。
日本書紀
二次資料日本書紀など、海幸山幸の伝承差や地域的受容を整理する二次資料。
海幸山幸 伝承差整理資料
二次資料海幸山幸の地域差、受容、代表地点を整理するための二次資料。
海幸彦と山幸彦 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
『古事記』上巻および『日本書紀』神代下にみえる火照命・火遠理命兄弟の釣針説話、海神宮訪問、潮満珠・潮乾珠、豊玉毘売との婚姻に関する二次整理。