
寺院
室生寺は、奈良県宇陀市を入口にたどる聖地・社寺。山中の伽藍と真言密教の受容を、女人高野の記憶と分けて整理する。
室生寺(むろうじ)は、奈良県宇陀市室生に所在する真言宗室生寺派の大本山。奈良の女人禁制の高野山金剛峯寺に対し「女人高野」の名で知られる山岳寺院で、五重塔・金堂・釈迦如来立像が国宝。山中の伽藍と室生山中の磐座信仰を伝える古代以来の聖地。
所在は奈良県宇陀市室生 78。奈良県東部、室生山地の北麓、室生川渓谷に伽藍を構える。境内は太鼓橋から仁王門・金堂・五重塔・奥の院へと急峻な石段が連なり、室生川の渓流と巨樹の杉に囲まれた山岳寺院の景観を伝える。五重塔は屋外建立の五重塔としては日本最小(高さ 16.1m)。隣接の龍穴神社(室生龍穴神社)は室生山の磐座を祀る古社で、室生寺と一体の山岳信仰圏を成す。
金堂本尊は釈迦如来立像(国宝、平安初期木造)。本堂(灌頂堂)本尊は如意輪観音坐像(重文)。境内の地主神として龍穴神社の高龗神(たかおかみのかみ、罔象女神とも)と密接に関係し、『古事記』上巻 神生み段に記される水を司る神格と仏教伽藍が習合する典型例。近隣の長谷寺(桜井市)、大野寺(宇陀市)と並ぶ大和高原の山岳寺院群の一角を成す。
寺伝では宝亀年間(770-781 年)、興福寺の僧・賢憬(けんけい)が国家鎮護を祈り創建。延暦十九年(800 年)に修円(しゅえん)が伽藍を整備し、平安初期に密教寺院として確立した。高野山金剛峯寺が女人禁制であったため、室生寺は女性の参詣を許す「女人高野」として近世以降に広く知られた。慶長七年(1602 年)、徳川綱吉の母・桂昌院の寄進で堂塔再興。国指定文化財データベースでは国宝四件、重要文化財多数を擁する大和の代表的古寺院。
4 月の灌仏会、10 月の弥勒会(みろくえ)、毎年 4-5 月のシャクナゲ・秋の紅葉時期が参詣の最盛期。
室生寺 公式・公的由緒資料
機関資料室生寺の由緒、所在地、参詣圏を確認するための公式・公的資料。
室生寺 地域資料・百科資料
二次資料室生寺の名称、所在地、歴史的背景を補助的に確認する二次資料。