
伝承
三保松原の羽衣伝説は静岡県静岡市清水区を代表地点として整理する伝承。松原に降りた天人と羽衣をめぐる語りとして語られ、出典、土地、関連エンティティを分けてたどれる。
駿河国三保の松原(みほのまつばら)に降り立った天女が松の枝に羽衣を掛けて水を浴びていると、漁師・白龍(はくりょう)が羽衣を見つけて持ち帰ろうとする。天衣を奪われた天女は天に帰れず嘆くが、白龍は返還の条件として天上の舞を求める。天女は羽衣を取り戻し、駿河舞・東遊(あずまあそび)の起源となる舞を披露して天空へ昇って消える。
羽衣を媒介とする異類訪問譚で、奪取・嘆願・舞・帰天という四段の構成をもつ。世界各地の白鳥処女説話(swan-maiden)の一型に位置づけられ、日本では地域により「水浴を覗かれて夫婦となる」型と「舞を奉じて帰天する」型に分岐する。三保松原の伝承は後者にあたり、能楽『羽衣』として様式化されたことで近世以降の規範形となった。
三保松原(静岡県静岡市清水区)の御穂神社境内および「羽衣の松」が代表的な伝承地。三保松原は富士山の構成資産として 2013 年に世界文化遺産に登録された。近江の余呉湖、丹後の比治山(真名井神社)など他地域にも別系統の羽衣伝説が伝わる。
世阿弥(あるいは観世元雅)作とされる謡曲『羽衣』(室町期)が主要典拠。古代では『丹後国風土記』逸文「奈具社」段、『近江国風土記』逸文「伊香小江」段に類型的な天女説話が残る。三保の伝承自体は中世以降の謡曲普及によって全国的に知られた。
謡曲 羽衣
一次文献謡曲 羽衣に見える三保松原の羽衣伝説の代表的な典拠。
日本伝説大系
二次資料日本伝説大系など、三保松原の羽衣伝説の伝承差や地域的受容を整理する二次資料。
羽衣伝説 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
謡曲『羽衣』、近江・丹後・駿河など各地に伝わる羽衣伝説の地域差、三保松原(静岡県静岡市清水区)における天女伝承と羽衣の松に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%BD%E8%A1%A3%E4%BC%9D%E8%AA%AC