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伝承

岩戸開き

公開検証済みいわとびらき

須佐之男命の乱暴により天岩戸へ籠った天照大御神を、八百万の神が儀式と舞で誘い出した神話。天宇受売命の舞と天手力男神の引き出しが転機となる。

あらすじ

岩戸開き(いわとびらき)は、『古事記』上巻 天石屋戸段に記される神話。須佐之男命(すさのおのみこと)が高天原で乱暴を働き、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天石屋戸(あまのいわやと)に籠ると、高天原と葦原中国は闇に閉ざされる。八百万の神は天安河原(あめのやすかわら)に集い、思金神(おもいかねのかみ)の計略のもと、常世長鳴鳥を鳴かせ、伊斯許理度売命に八咫鏡を作らせ、玉祖命に八尺勾玉を作らせる。天宇受売命(あめのうずめのみこと)が桶を踏み鳴らして神懸かりの舞を舞うと、神々は声を上げて笑う。怪しんで岩戸を細く開けた天照大御神を、天手力男神(あめのたぢからおのかみ)が引き出して再び光が戻る。

神話の構造

物語は「太陽神の隠れ」「闇の到来」「神々の協議」「祭儀による誘引」「岩戸の再開」という日蝕譚的な五段構成を取る。鏡・勾玉・舞・笑い・力業という要素は後の祭祀儀礼の起源譚として読まれ、三種の神器のうち八咫鏡・八尺瓊勾玉の由来をこの段に置く。『日本書紀』神代上 第七段では本文と複数の一書で同じ筋を異伝として並べ、思兼神・天鈿女命らの役割が編纂者により整理される。

舞台・伝承地

比定地は宮崎県西臼杵郡高千穂町の天岩戸神社・天安河原が最も著名で、伊勢市の伊雑宮、京都府福知山市の元伊勢内宮皇大神社などにも伝承地が残る。高千穂神社の夜神楽は本段を芸能化した代表例である。

出典

『古事記』上巻 天石屋戸段(和銅五年・712 年成立)、『日本書紀』神代上 第七段(養老四年・720 年成立)が一次資料。中世以降は『神道集』や能『絵馬』、近世の神道書にも展開する。

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