
伝承
国譲り神話で建御雷神の問いに対し、美保岬で釣りをしていた事代主神が国譲りを承知し、青柴垣に身を隠したと記される託宣神話。
事代主託宣は、『古事記』上巻 国譲り段および『日本書紀』神代下 第九段に記される神話。葦原中国平定のため高天原から派遣された建御雷神(たけみかづちのかみ)は、出雲の伊那佐の小浜で大国主神(おおくにぬしのかみ)に国譲りを迫る。大国主神は「我は答へ申さじ。我が子八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)、是答へ申すべし」と返し、判断を子神に委ねる。当時、事代主神は美保岬(みほのみさき、現・島根県松江市美保関)で鳥や魚を漁っていた。使者の天鳥船神が呼びに行くと、事代主神は「恐し。此の国は、天つ神の御子に立奉らむ」と承諾し、乗ってきた船の艫を踏んで傾けると、その船を「青柴垣(あおふしがき)」に変えて隠れた。これにより国譲りの第一段が成立する。
物語は「父神の判断委譲」「子神の漁撈中の託宣」「言葉による即時承諾」「青柴垣による退隠」という構造を取り、事代主神を「言(こと)を知る主」すなわち託宣神として位置づける。後段で建御名方神が反対し諏訪まで追われるのと対照的に、事代主神は言葉のみで国譲りを完成させる点が特徴的である。中世以降は恵比寿神と習合し、釣り竿と鯛を持つ漁撈神・福神として広く信仰される。
島根県松江市美保関町の美保神社(事代主神を主祭神とし、青柴垣神事・諸手船神事を伝える)、島根県出雲市の出雲大社(大国主神とともに祀る)、静岡県三島市の三嶋大社(事代主神を主神とする)、奈良県橿原市の鴨都波神社(事代主神の本源とされる)が主要伝承地。
『古事記』上巻 国譲り段(和銅五年・712 年)、『日本書紀』神代下 第九段(養老四年・720 年)が一次資料。『出雲国風土記』島根郡条にも美保郷の伝承が見える。
古事記 上巻 国譲り段(事代主託宣)
一次文献太安万侶(撰)
古事記上巻に事代主神が美保岬で建御雷神の使いを受け国譲りを承諾し青柴垣に隠れる場面が記される。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001518/files/51731_50813.html事代主 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
事代主神の託宣神格、美保神社・三嶋大社との関係に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8B%E4%BB%A3%E4%B8%BB