
記紀神話
『古事記』『日本書紀』に大国主神の国造りの相棒として現れる小柄な神。医薬・温泉・酒造の守護神として神田明神・少彦名神社など各地の社で祀られる。
30秒でわかる
少彦名命は古事記・日本書紀に大国主神の国造りの相棒として記される神格。海の彼方から渡来した小柄な神で、医薬・温泉・酒造の守護神として神田明神・少彦名神社・大洗磯前神社ほか各地で祀られる。
少彦名命(すくなびこなのみこと、少名毘古那神)は、『古事記』上巻・『日本書紀』神代に大国主神(大穴牟遅神)の国造りの相棒として登場する神格。海の彼方から蛾の皮の衣をまとい、ががいもの実の舟に乗って漂着した小柄な神とされる。医薬・温泉・酒造・五穀豊穣の神として広く信仰され、大国主神とのペア(オオナムチ・スクナヒコナの国造り神)として神道祭祀の重要な一柱を成す。
『古事記』上巻 大国主神段では、出雲の御大の岬で大国主神のもとに、ガガイモの実を舟にし蛾の皮を衣として渡来した小神として現れ、神産巣日神の子と告げられる。『日本書紀』神代上 第八段でも同様の渡来譚と、大国主神(大穴牟遅)と協力して葦原中国を経営し医薬・禁厭の法を定めた事績が記される。『播磨国風土記』『伊予国風土記』にも少彦名命が温泉を見出した・酒造の祖となったなどの地誌的伝承が残る。
親神は神産巣日神(かみむすひのかみ、『古事記』)あるいは高皇産霊尊(『日本書紀』)。きわめて小柄で諸国を巡り、大国主神と兄弟・盟友のように国造りを行ったが、事業半ばで常世国へ去ったと記される。配偶神・子孫の伝承は乏しく、独立した神格として位置づけられる。
中心となる祭祀地は神田明神(神田神社、東京都千代田区、大己貴命・平将門命とともに祀る江戸総鎮守)、少彦名神社(大阪市中央区・道修町、薬の街の守護神)、大洗磯前神社(茨城県東茨城郡大洗町、大己貴命とともに祀る)、酒列磯前神社(茨城県ひたちなか市)、湯神社(愛媛県松山市、道後温泉の守護神)、淡嶋神社(和歌山市加太、人形供養の総本社)など各地に分布する。医薬・温泉・酒造・諸病平癒の信仰文脈で参詣される。
古事記 上巻 大国主神・少彦名命国造り段
一次文献太安万侶(撰)/武田祐吉 校訂
太安万侶撰『古事記』上巻に少彦名命の渡来譚と大国主神との国造り協力に関する記述が含まれる。武田祐吉校訂版(青空文庫)。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001518/files/51731_50813.htmlスクナビコナ - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
少彦名命の渡来譚・国造り神話・医薬温泉信仰の展開に関する二次整理。